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SEI子さんと学ぶ もっと知りたいあの製品技術

今月の注目製品
小型光ファイバ融着接続機
製品データ

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[左]TYPE-201 [右]TYPE-71C+
TYPE-201
TYPE-71C+

融着接続機って何?

日本では、世界に先駆けて家庭用のデータ通信サービスFTTH(※1)が普及し、インターネットやテレビ、電話など身近なところで、高速で大容量のデータ通信が可能な光ファイバケーブルが使用されています。

また、日本のみならず、世界各国で光ファイバネットワークの構築が急速に進んでおり、幹線系接続工事、FTTH接続工事など光ファイバ布設工事の現場や、光通信機器の組立工場で活躍するのが、融着接続機です。

融着接続機とは、放電によって発生する約1,800℃の熱で、光ファイバを溶かしコアを一体化させて接続する装置です。

当社はこれまで小型融着接続機を国内外に販売し、好評をいただいてきました。

今年8月にブラジル・サンパウロでおこなわれた技能五輪国際大会(※2)でも、当社の融着機を用いた選手が金メダルを獲得するなど、多くの技術者にも活用いただいています。

※1
Fiber To The Home:通信会社と個人宅を光ファイバで結び、電話・インターネット・テレビ配信などのサービスをおこなうこと。
※2
正式名称は国際技能競技大会(World Skills Competition)。1950年にスペインとポルトガルの職業青年団の間で、各12名の選手が技能を競ったことから始まり、参加国・出場選手の増加から、若年技能労働者の国際的な祭典として認知されている。日本は1962年の第11回大会から出場しており、中でも、「情報ネットワーク施工競技部門」は、日本代表チームが5回連続で優勝している競技。

当社製品の特長は?

当社の融着接続機は、小型で軽量かつ、屋外での使用に適した防塵・防滴性能が特長です。

その中でも、TYPE-201シリーズは、片手で持って作業できる大きさ(幅110mm×奥行き140mm×高さ76mm)で、重さも770gと従来機より半減し、世界最小・最軽量のコンパクトボディとなっています。限られた作業スペースで効率よく、また初心者でも容易に操作できるため、電柱間や住宅への光ケーブル配線工事などで活躍します。

TYPE-71C+は、新規で開発した高倍率顕微鏡を搭載し、画像処理の高精度化を実現しました。これにより、接続部での通信光の損失を非常に低く抑えることができます。また、光ファイバの種類を自動で識別し、最適な融着接続条件を設定する機能を搭載したことで、安定して接続することができます。さらに、従来機より半分の時間で、融着補強することが可能な製品となっています。

このように、当社ではお客さまの目的に応じたさまざまな種類の融着接続機をご用意しております。

技術者に聞きました
SEIオプティフロンティア(株)
メカトロ製品部 機構設計グループ
佐藤 龍一郎
佐藤 龍一郎

開発する上で難しかったことは何ですか?

従来の融着接続機の機能を維持・向上させつつも、どこまで小型化・軽量化できるか、部品一つ一つの形状や材質の見極めに苦労しました。

また外観形状も、作業者の方が持ちやすく、扱いやすく、高所作業での安定性も考慮した形状を追求し、実際の作業者の方々にヒアリングを重ねて決定しました。さまざまなご意見やご指摘を、製品にいかに反映して具体化していくかという点が難しかったです。

新機能であるタッチパネルの導入やヘルプ動画機能・リモート保守機能の搭載も、作業性や操作性を高める新たな試みとして従来以上に実機検証に時間をかける必要がありました。

お客さまからどのような反応をもらっていますか?

FTTH工事に最適な融着接続機として開発したTYPE-201シリーズは、ハシゴや電柱に登っての接続作業や、サービスを利用されるお客さまの宅内での接続作業が想定されるため、小型・軽量で「装置ではなく工具」のような融着接続機をめざしました。世界最小・最軽量を実現し、熟練作業者でない方々をサポートする機能も搭載できたため、お客さまからは、誰にでもすぐに操作でき、小型軽量で扱いやすいといった評価をいただいています。

また、当社の融着接続機ラインナップの最上位機種TYPE-71C+は、高い信頼性が求められる光ファイバ通信網の幹線の工事に主に使用されるため、国内はもとより光ファイバの導入が急速に進む海外のお客さまにも大変ご好評をいただいています。


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